最近、洗わなくてもよいとされるお米、俗に言う「洗わないお米」が市場に出回るようになり、従来の白米と同じくらい目にする機会が増えています。
そもそも「洗わないお米」は、本当に洗う必要がないのでしょうか?お米に水を加えるとしばしば白濁する現象が見られますが、これは一体何なのでしょうか?
このような疑問を抱える方は多いかもしれません。
実は、この白濁はお米から出るデンプン質が原因であり、米ぬかではありません。
基本的には「洗わないお米」は名前の通り、洗わずに使用することができますが、加工方法によっては米ぬかのにおいが残る可能性があるため、洗う必要がある場合もあります。
この記事では、そんな「洗わないお米」を実際に洗うべきかどうかについて掘り下げていきます。
無洗米とは何か?
スーパーのお米コーナーでよく見かける「無洗米」について詳しく説明します。
玄米から精米されると白米が得られますが、この過程で少量の米ぬかが残ることがあります。「無洗米」は、この余分な米ぬかを取り除いたもので、通常の水洗いが不要です。
無洗米の製造には、米ぬかを物理的に除去する方法や、特定の化学物質を使って米ぬかを分離させる方法があります。
炊く前に洗う必要がなく、白米に含まれる水溶性の栄養素、たとえばナイアシンやビタミンB1を保つことができるというメリットがあります。さらに、市場に出る無洗米は、メーカーが洗米の程度を適切に調整しているため、最良の状態で使用できるという利点もあります。
ただし、加工方法によっては通常の白米と同じように洗う必要がある場合もあります。これは、米ぬかを完全に除去するのが困難な場合があるためです。
加工方法に応じて、洗わずに炊飯できるタイプと、米ぬかの臭いを避けるために洗った方が良いタイプがあります。
無洗米を洗うべきか?
無洗米に水を加えた際の白濁は米ぬかではなく、お米のデンプン質によるものです。
多くの場合、無洗米は洗わずにそのまま炊飯しても、ビタミンB1やナイアシンといった栄養成分を保持することができます。
しかし、加工方法によっては米ぬかの臭いが残る場合があるため、そのような場合は軽く洗うことが推奨されます。
商品のパッケージには通常、加工方法の詳細は記載されていませんので、最終的には製品の裏面に記載されている生産者の指示に従うのが最も良い方法です。
無洗米の正しい調理方法とポイント
無洗米を調理する際の正しい手順と注意点を紹介します。
無洗米の準備方法
専用の計量器を使って無洗米を正確に量り取り、炊飯器の内釜に入れます。
水加えと処理方法
水を加えると米が白濁することがありますが、通常は洗う必要はありません。しかし、気になる場合は軽くすすぐことができます。
無洗米を硬いと感じる方もいるかもしれませんが、これは一般的な誤解です。主な理由は適切な水の量を使用していないことにあります。炊飯器の無洗米専用モードを使用すれば、米はしっとりと美味しく炊き上がります。無洗米専用モードがない場合でも、水の量を調整することで硬くならないように調理することができます。
無洗米は米ぬかや胚芽だけでなく、保護層も取り除かれているため、乾燥を防ぐために適切な保管が必要です。
【無洗米の上手な保管方法】
美味しい無洗米を長持ちさせるためには、以下の保管方法を心がけましょう。
密封できる容器に入れて保存してください。
冷蔵庫の野菜室や、冷暗所など涼しくて暗い場所に置いてください。
購入してから30~45日の間に食べきるようにしましょう。
無洗米を美味しくいただくコツは、これらの保管方法を守り、なるべく早く使い切ることです。
また、商品によっては一度洗う必要があるものもあるため、包装の指示に従ってください。水を加えたら、軽くかき混ぜることを忘れずに。
【水の量の調節について】
無洗米は通常の白米よりも水を多く吸収するため、水の量を増やす必要があります。概ね、米1カップに対して大さじ1~2杯、または3カップにつき約100ccの水をプラスします。無洗米用の炊飯器を使う場合は、炊飯器の目盛りを参考にしてください。
【水に浸すことの重要性】
無洗米は洗わない分、水に浸す時間が必要です。夏場は30~40分、冬場は50~90分が目安です。
【炊きあがり後の工夫】
米が炊けたら、約15分間蒸らしましょう。多くの炊飯器はこの蒸らし時間が設定されています。
【ふっくらとした食感に】
蒸らし終わったら、フタを開けて軽くかき混ぜ、余計な蒸気を逃がしてください。
【無洗米を洗うべきか?の結論】
無洗米の品質は製法によって異なり、基本的には洗わなくても大丈夫ですが、製法によっては1~2回軽く洗うことを推奨する場合もあります。
無洗米を洗うか否かは、製品によって異なりますが、どちらの方法も間違いではありません。不明点があれば、米袋に記載された指示に従ってください。
無洗米を炊く際は、通常の白米とは異なる水の量や浸水時間に注意し、生産者の努力が詰まった米を美味しくいただきましょう。